私の本棚

6.内田百閒集成(ちくま文庫、全24巻)

一体に書物は貸し下されというのが相場である。しかし、内田百閒の本ほどこの常識を覆さなかったものはなく、私の本棚に残っていたのは、文庫の「東京日記」、「阿呆の鳥飼」等4冊にすぎなかった。 旅に明け暮れた昔、何処へ行くにも必… Read more »

4.「子規を語る」(河東碧梧桐著、岩波文庫)

子規という人が好きである。丸山j真男先生が「福沢惚れ」と言われる感情に近いと思う。明治以降最大の文学者は誰かと尋ねられたら躊躇なく正岡子規と答えるであろう。「くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる」は私の… Read more »

3.「日本精神分析」(柄谷行人著、文藝春秋)

本稿を書いている最中(平成14年8月30日)、長野県知事選が全国的な関心を集めている。(この選挙に関しては、松室猛議員が問題点を的確に分析、解説されているのでそちらをご覧頂きたい。) 本書を取上げたのは、この知事選、或は… Read more »

2.「うさぎのミミリー」(庄野潤三著、新潮社)

老作家夫婦の日常が、娘さん息子さんとの交流を中心に淡々と語られる。著者は、私の父とほぼ同世代の人なので、両者をつい較べてしまう。父は長い間の議員生活を終え、庄野さんと同じ様にゆったりとした生活を楽しめるはずであったが、母… Read more »