大阪府庁財政研究会

同研究会が平成20年12月下旬、4ヶ月間の議論を経て報告書を公表した。

先ず評価したいのは、報告までのスピードである。「トータルコスト(人件費を含む事業予算)把握の必要性」、「債務償還可能年数」による公債管理手法の確立等について知事に質したのが7月議会の代表質問だったから、研究の成果は5カ月にして明らかにされたことになる(議会でも同様の研究会が必要だと考えている)。

「債務償還可能年数」は、「実質府債残高倍率」という指標に名を変えて「将来世代に負担を先送りしない」ことを表す指標になった。

一番言いたかった「地方債の発行管理」指標について(これがないと、予算枠の総額が設定できない)直接的な指標設定はされていないが、実質府債残高倍率から導くことはできる。

トータルコストについて「府民に分かりやすい事業群での試行」という結論にも同意できる。

ただ、想定外の税収不足が予測される昨今、「収入」を規定し、本来収支、正味収支という概念を導入したところで、今以上に行政サービスの低下を招くことなく、当初予算(段階で赤字にならない)を組むことができるのか。同報告書が、研究会として詳細な制度設計に至っていない、という課題とともに、2月議会で最大の争点の一つになるだろう。