自民党再生への道

1.    戦う姿勢を示すべし

党の存在自体に関する危機感が全くない。このままで行くと、民主党は来年の参院選で単独過半数を獲る勢いである。再来年の統一地方選挙では党の基盤を磐石なものにするため、少なくとも府議選において一人区で自民が議席を有している選挙区(22選挙区)には全て対立候補を立ててくることを覚悟しておく必要がある。公明党との連立は解消された。同党との地方レベルでの関係も当然白紙が前提である。

かかる状況下において何よりも必要なのは自民党が政権奪還に向けて戦う姿勢を示すことである。首班指名で「麻生総理」「白紙」で揉めていること自体、戦いを放棄しているとしか受け止められない。先ず、この人を旗印に政権奪還に取り組むという姿勢を明らかにするため、①新総裁、新幹事長の下で新体制を整え首班指名に臨むべきである。また、変化を求める国民の声にこたえるべく②役員の大胆な世代交代を図る必要がある。

2.    党組織も分権化すべし

敗因は明らかである。有権者の怒りの声が党本部と所属国会議員に聞こえていなかったことが主たる原因である。何故聞こえていなかったのか。有権者の声が直接党本部に聞こえる仕組みがないからである。当の国会議員ですら有権者の声を把握していないし、地域のニーズ、行政課題を殆ど何も知らない人が多い。この人たちが候補者となることの不思議を解消する必要がある。

何故こういう事態が生じてしまうのか。結党以来の上意下達式・中央集権制が今なお維持されているからである。国会議員候補者の決定にもマニフェストの作成にも地方議員は関与する余地がない。「知らしむべし、由らしむべからず」的な党運営を根本的に改めるべきである。

マニフェストに「道州制の導入」、「内閣に『検討機関』を設置するとともに、道州制基本法を早期に制定、基本法制定後6~8年を目途に導入する」と述べるぐらいなら、党組織の分権化も不可避である。

外交、防衛、マクロ経済政策等、国の所掌事務に関するマニフェストは党本部と国会議員が書けばよいが、地方の課題については地方に任せられるような組織に改めるべきである。国と地方の協議の場が、国会議員と地方議員の間にも必要である。