議会改革の要諦

分権時代にふさわしい議会の役割とは何であるか。それは、住民代表機関として憲法が定める議事機関としての役割を果たすことであり、大阪府議会基本条例でいうところの「地方公共団体の意思決定を行う議決機関としての役割と、知事の執行監視を行う監視機関としての役割」を果たし、かつ、果たしていることを「見える化」することであろう。

上記の観点から大阪府議会は分権時代にふさわしい議会足り得ているか。議会人としては非常に残念なことであるが首をかしげざるを得ないのである。何故か。先ず、議事機関としての機能が不全である。議事内容はお役人からの提案が殆どであり、議会発義の議事内容が議場で議論されることがない。これで、どうして議会が「住民意思を代表し政策を形成」しているといえるのか。もう一方の住民代表機関である知事は、予算編成のなかに住民代表である議員も入ってほしいと言った。2880もある事業(細事業、細々事業まで入れるとその倍以上になるだろう)と予算を知事一人では見切れないからだ。知事は正直だ。私たちは知事提案に賛成した(もちろんコンプライアンスが前提)。しかし、多くの会派は予算の事前審査に当たる等といってこれを受け入れなかった。

なるほどそれも見識である。しかし、それならば住民意思をどこで代表するのか。議会においてでしかないだろう。本会議、委員会を通じて全事業のチェックを行うべきである。事業仕分けを行い、その結果を公表し、予算の組換えまで行うべきである。議決事項である予算の款、項の正当性はそれにぶら下がる目と節をチェックせずして裏付けられないからだ。このために議員は非常に忙しくなる。援軍も必要になる。私たちが、住民代表機関としての議会機能の強化というとき、増員要求は避けて通れないのである。

この点に関し、議会事務局幹部は「府として人員削減に取り組んでいるのに、議会だけ増員というのは理解されない。増やしたところで仕事がない」等と嘯いている。分権時代の議会の何たるや、全く理解しない証拠である。議会が自立しなければならないのは言うまでもない。黒子に操られる議会から早く決別することこそが議会改革の要諦であろう。